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出雲國大原神主神楽

2013年は、熱田神宮が創祀1900年ということで、いろいろな催し物があって、5月3日は、午前・午後と2部にわたって「出雲國大原神主神楽」が奉納されたので見に行った。

 

配られたパンフレットによると、

「島根県の東部(旧称;出雲国)のほぼ中央部に「大原」という地方があります。この出雲国は、日本最古の書物である「古事記」(西暦712年成立)に登場する「神話」の舞台の一つであり、「出雲大社」を中心とする八百万の神と由緒深く結ばれた「神の国」といわれるほどの霊験な地域です。

 従ってこの国では、古くから神主や村人たちによっていろいろな神祭が行われ、なかでも「神楽」「獅子舞」「田楽」等が多くの社中によって盛んに演じられ、しかも様々な芸態をとって上演されてきました。

 「出雲國大原神主神楽」は西暦1850年代に復興しました。今の島根県雲南市の大原地内や近隣の神主が「神楽組」を組織し、当時、点在・散逸していた「神楽」を収集して伝承に当たったのがその始まりです。その後、譜本にまとめて集大成するとともに、古くからの「宗教芸能」の形態を、一時も村人の手に委ねることなく、神主だけで正しく受け継いできました。従って只今では、日本の純粋な「神楽」の代表として高い評価をいただいています。

 伝承曲は、「七座(しちざ)」が7曲、「神能(しんのう)」が21曲ですが、その他に「湯立神事(ゆだてしんじ)」「御託宣神事(おたくせんしんじ)」といった修験色が色濃く残ったものや、「八ツ花(やつはな)」「式三番(しきさんば)」といった独自の舞いもあります。」

 

この日は、午前の部に、清目(きよめ)・山神祭(さんじんさい)・日本武(やまとたけ)、午後の部には、手草(たぐさ)・国譲(くにゆずり)が演じられた。

 

午前の部と午後の部の初めに舞われる清目と手草は、お祓いの舞だが、そのほかの「神能」は、これまで見てきた神楽とは違って、古事記に題をとった歌舞伎のような演目で面白い。

 

ビデオは、50分ほどの演目を30分ほどに編集した。

 

山神祭(さんじんさい)

「「天照大神」は弟神(須佐之男命)の暴挙に怒り、岩戸に隠れてしまう。世の中か真っ暗になったため、神々は打開のために秘策を練り、そのひとつとして岩戸の前て神楽を演じることになる。「天児屋根命」は、その神楽に使用する「榊(真賢木(まさかき))」を天香具山に求め、無断て持ち帰ろうとするが、その山の主てある「大山祇命」にとがめられ、奪い返されてしまう。しかし、岩戸開きのために必要な「榊」と分かり、快く献上する。「天児屋根命」は喜び、「大山祇命」に『十握剣(とつかのつるぎ)』を渡し、荒振る神を鎮めるように命じて立ち去る。」

日本武(やまとたけ)

熱田神宮のご神体である「草薙の劔」にまつわる日本武尊伝説の特別公演。

国譲(くにゆずり)

「「武御雷之命」は出雲の稲佐の浜に天降り、「大国主命」に「天津神に国土を奉れ」(国譲り)との神勅を伝える。「大国主命」は潔しとし、連れ舞ののち、『福餅』を撒く。ところが、このことを不服に思う「大国主命」の子神てある「武御名方命」が登場し、「武御雷之命」との力比べに挑む。しかし、「武御名方命」は力及ばす敗れ、国土の譲渡か実現するという。国譲り神話の一曲である。」

八頭(やと)

「「須佐之男命」が出雲の簸の川上で「八岐大蛇(トカゲ蛇)」を退治し、「稲田姫命」と結婚するという出雲神楽を代表する演目である。」

 

ヤマタノオロチは、この神楽では、「トカゲ蛇(じゃ)」といって、頭一つ尾も一つのトカゲ形で素朴な形式を伝承しているようだ。

 

途中でビデオの容量がなくなってしまい、そうだ、デジカメの動画記録機能がある、と気がつくまで須佐之男命とトカゲ蛇の戦う様が抜けてしまった。

私自身の神楽というものの認識がまったく違っていたことがわかり、有意義な時間を過ごすことができた。

熱田神宮創祀1900年祭に感謝。